閏年の閏日ということなので(?)、記事を書いておきます。特別な日にでも書いておかないとアウトプットがないので・・・。
今回は、最近使い始めて結構いい感じになってきた、hygen.ioについてです。
hygen.ioとは
hygen.ioは、公式で以下のように紹介されています。
The scalable code generator that saves you time.
簡単に書くと、MavenとかGradleとかで初期構成を自動生成したり、create-react-appとかで生成したりといった、code generatorの一つです。
特徴としては 速度 と シンプルである ことで、複雑なDSLを覚える必要は特になく、簡単に使い始められます。また、後述する inject
という機能のおかげで、自動生成しつつ、その情報を別ファイルに埋め込む、みたいなことが割と簡単です。
どんなprojectで使われてる?
ここを見ると大体わかりそうです。JavaScript界隈での有名企業が入っていたりと、それなりに広く使われているようです。
なお、gulpとかnpm scriptとかMakefileでも出来るんちゃう?という気もしますし、実際出来ると思いますが、code generatorとして特化した機能を提供しているhygenを利用する方が、設定のごった煮になる可能性が低いかな・・・という気がします。
boilerplateを自動生成してみる
今個人で作業しているリポジトリでは、Reduxをmoduleという形で利用するとともに、多数のcommandというmoduleを生成する必要があります。ほとんどinterfaceだけは決まっているので、新しいcommandやmoduleを追加する度、同じようなファイルを生成したり、構造に気を使ったり・・・という作業が必要になります。
流石にこれはめんどくさい・・・となってきたので、hygenを利用していろいろ自動生成してみました。
hygen自体の使い方は公式サイトを見てもらったほうが良いと思いますので、リンクだけ貼っておきます。今回作ったgeneratorの構造はこんな感じです。
実際に使っているのはもうちょっと色々追加されています。
--+ _template
|-+ module
|-- help
|-+ init
| |-- actions-test.ejs.t
| |-- actions.ejs.t
| |-- index.ejs.t
| |-- inject_reducer.ejs.t
| |-- inject_import-module.ejs.t
| |-- inject_action-type.ejs.t
| |-- reducer-test.ejs.t
| |-- reducer.ejs.t
| |-- types.ejs.t
|-- new-action
これを使うと、こんな感じで新しいmoduleを追加したり、追加したmoduleに対して新しいactionを追加したり出来ます。
# moduleの追加
$ npx hygen module init foo-bar
# actionの追加(promptでaction名を入力)
✔ What's name of action? · get-foo
Loaded templates: _templates
inject: src/ts/modules/foo-bar/actions.ts
inject: src/ts/modules/foo-bar/actions.ts
inject: src/ts/modules/foo-bar/types.ts
ちょっと長いですが、 init
generatorについて一つ一つ見てみましょう。 new-action
generatorは、 init
で生成されたファイルにinjectしているだけです。
また、実際には modules/index.ts
というファイルがあり、ここで combineReducers
とか全Actionをunionしたtypeを作ったりしています。
今回のReduxの構成について
今回、reduxの構成は https://github.com/erikras/ducks-modular-redux に書かれている Ducks というパターンを若干改造したもの
modules/<module name>/
というディレクトリの下に、action/reducerが全て置かれており、外部のmoduleに依存しないようにしています。実際に依存しないように出来るかどうかはともかく、現時点では割といい感触です。
actionsの生成
action creatorとaction type、action creatorのtest caseの生成です。
// actions-test.ejs.t
---
to: src/ts/modules/<%= name %>/actions.test.ts
---
import {actions} from "./actions";
describe("Modules", () => {
describe("<%= h.changeCase.title(name) %>", () => {
describe("Actions", () => {
});
});
});
// actions.ejs.t
---
to: src/ts/modules/<%= name %>/actions.ts
---
import {ActionsType} from "../type";
import {ActionTypes} from "./types";
// implememt action. Use command `hygen module add:action [name of action]` to add template into this place.
//#ACTION INSERTION INDICATOR
// Do not delete this comment below.
// prettier-ignore
export const actions = {
};
// exporting all actions
export type Actions = ActionsType<typeof ActionTypes, typeof actions>;
// types.ejs.t
---
to: src/ts/modules/<%= name %>/types.ts
---
// prettier-ignore
export const ActionTypes = {
} as const;
types.ejs.t
では、 actions.ejs.t
でactionの型を生成するためと、reducerでswitchするための定数を提供するものになっています。
actions.ejs.t
において、何箇所か // prettier-ignore
を付けているのは、prettierでの成形時にコードが崩れてしまうことを防止するために入れています。
module全体のindex生成
これは基本的に最初に生成されたら変更されないので、特に変わったことはしていません。
// index.ejs.t
---
to: src/ts/modules/<%= name %>/index.ts
---
import { Actions as Actions$ } from "./actions";
import { State as State$ } from "./reducer";
export type Actions = Actions$;
export type State = State$;
export { ActionTypes } from "./types";
export { actions } from "./actions";
export { reducer, emptyState } from "./reducer";
生成時の各ファイルへのinject
// inject_action-type.ejs.t
---
to: src/ts/modules/index.ts
inject: true
skip_if: import.+<%= name %>
after: export type Actions =
---
| <%= h.changeCase.pascal(name) %>.Actions
// inject_import-module.ejs.t
---
to: src/ts/modules/index.ts
inject: true
skip_if: import.+<%= name %>
after: \/\/#IMPORT INDICATOR
---
<%_ const pascalName = h.changeCase.pascal(name) _%>
import * as <%= pascalName %> from "./<%= name %>";
// inject_reducer.ejs.t
---
to: src/ts/modules/index.ts
inject: true
skip_if: <%= h.changeCase.pascal(name) %>.reducer,
after: export const reducer =
---
<%= h.changeCase.camel(name) %>: <%= h.changeCase.pascal(name) %>.reducer,
この3ファイルは、既存のファイルへの inject
を行うためのtemplateとなっています。 inject
は、 after
や before
といったattributeで指定された正規表現に一致した場合かつ、 skip_if
に指定された正規表現にマッチするものが存在しない場合に、templateの内容をinjectします。
正規表現によって差し込む位置を決定するのと、原則として行単位のinjectであるため、prettierなどで編集する度に自動でformattingするような設定になっていると、いざinjectするときに ギャー!! ってなりかねません(なった)。
なので、自動生成以外でいじらないような場所には、 prettier-ignore
などを利用してフォーマットされないようにしておくことをオススメします。
reducerの生成
// reducer-test.ejs.t
---
to: src/ts/modules/<%= name %>/reducer.test.ts
---
import {reducer} from "./reducer";
describe("Modules", () => {
describe("<%= h.changeCase.title(name) %>", () => {
describe("Reducer", () => {
});
});
});
// reducer.ejs.t
---
to: src/ts/modules/<%= name %>/reducer.ts
---
import {ActionTypes} from "./types";
import {Actions} from "./actions";
// state of type. Please redefine to what you want.
export type State = {};
export const emptyState: State = {};
export const reducer = function reducer(state: State = emptyState, action:Actions): State {
switch (action.type) {
default: return state;
}
};
reducerの生成では、あえてaction typeのcase文を追加するようなことをしていません。実際には可能だと思いますが、reducerはロジックを書く場所なので、自由度を上げるため、あえて自動生成に乗せていません。
手を抜きつつ品質を上げるためにgeneratorを使おう
大体このような構成にするため、4時間くらい試行錯誤しました・・・。ただ、こういう自動生成する系は、何度も反復して利用することで結果的にコストを低減し、品質を向上させていくものです。
まだいくつかしか作っていませんが、boilerplateを書く必要がないというのは、かなり効率が良くなります。今回はTypeScript向けだったのでhygenを利用しましたが、他の言語でも似たようなものはあると思います。
あー、なんか同じような構造をいっぱい書かないとならんなぁ って思ったら、一度自動生成を検討してみてはいかがでしょうか。