せっかくの個人ブログなのでこんなものも書いてみます。レビューというか感想ですね。

SEKIRO -SHADOWS DIE TWICE- (PS4版。以下SEKIRO)のプラチナトロフィー取得が終わったので、感想を書いてみます。完全に個人的な感想ですので、仮にこれを読んで買って満足できなかったとしても保証はできかねます。ご了承を。

なお、完全にプラチナ狙いで行ったので、3週目で終了しています。

書いている人間のスペック

前提として、この記事を書いている人間のゲーム的スペックを書いておきます。ライトではないがガチでもない、という普通の領域だと思います。

どんなゲーム?

死ぬことを楽しむゲームです

なんの説明にもなっていないですね。ちゃんとした紹介は↑の更新サイトを見たほうが早いと思います。Demon’s Soul/Dark SoulやBloodborneをプレイしたことがある方であれば、ああいう感じ、と言えば伝わるでしょうか。SIEとFROM Softwareが手を組んだ作品です。ちなみに SEKIROせきろ と読むのが公式だそうです・・・ほんとか?

すっかりSoulライクゲームがFROM Softwareの代名詞になりましたが、30代くらいの人にとっては FROM Software=アーマードコア とかなんじゃないでしょうか。もうアーマードコアが出ることはなさそうですが、もう一回プレイしてみたいものです。

閑話休題。

さて、Soulライクゲームと同じような感じ、と書きましたが、その内容は大きく異なります。同じなのは死んで覚える、というくらいです。私は最初の一周は公式サイト以外を見ないことにしているので、死にっぷりに拍車がかかります・・・。が、できればSEKIROやSoulライクゲームは最初だけは攻略サイトとかを見ないようにするのをおすすめしたいです。 そのあたりは個人の裁量なので、最初からガッツリ見るも詰まったら見るも自由ですが。

SEKIROとSoulライクゲームの違い

簡単に箇条書していきます。

要素としては色々ありますが、とにかくゲーム内の要素が 剣を交えること に特化されている感じです。

キャラクターの成長=自分の成長

Soulライクゲームでは、ある程度はレベルを上げてゴリ押し、ということができました。しかし、前述したとおり、SEKIROではレベルという概念がありません。アイテムを利用しないと、キャラクター自体の成長はありません。そして、そのアイテムは一部を除いて ボスを倒さないと取得できません

つまり、ボスで詰まった場合、 自分自身の腕を上げないと攻略できません 。ここでの腕は、相手のパターンを見切る、ということも含みます。この点がSoulライクゲームとの一番の相違でしょう。

逆に言うと、ボスに勝てた=自分が成長した、ということにほかなりません。特に大ボスは、トドメにイベント的な最後の一撃が必要なんですが、それを行う=勝利なので、イベント的な演出も含めて 勝利した瞬間の快感は凄まじいです (個人差あり)。

その快感を得るために、次のボスに向かってまた何度も死ぬ・・・と繰り返すことになります。その過程で、ベースになる腕も上がっていきます。

剣戟 を体感する

弾きと体幹システム上、基本的には攻め続けて、相手の攻撃は弾き(=ジャストガード)し続ける、というのが理想です。そこに至るまでには何度も死ぬことになりますが・・・。逆に、そこに至ると、まさに映画のような剣戟を繰り広げることができます。これがまた気持ちいいんです。

相手がこちらの攻撃を弾き、相手の返す刀をこちらが弾き、また返す刀を浴びせる・・・という連鎖は、音ゲーのようにリズムを刻んでいく気持ちよさと通じるものがあります。この剣戟の気持ちよさ、というものもあり、あえて自ら攻撃に向かっていく、という原動力になります。まさに開発者の狙い通りになっている感じがしますが。

もちろん、敵もバラエティに富んでいるので、下手に剣戟を狙いに行くと逆に難易度が上がる、というケースもあります。そんなときは遠慮なく卑怯な戦法をとればいいんです。忍者ですから。

回生システム

他のSoulライクゲームと違い、SEKIROでは死んでも一度だけ復活できます(正確ではないのですが、わかりやすいので)。復活までの時間制限付き(しばらく待っていると普通に死ぬ)ですが、後少しで倒せる、といったときには重宝します。

ただ、復活と言ってもHPは半分、その他は死ぬ前と同じなので、回復が切れていたときとかは、結局そのまま死ぬ、というケースも頻繁に起こります。実際には、相手のパターンを見切るための補助、というのが適当ではないかな?と思いました。

また、ゲーム中には 自殺用のアイテム なるものも出てきます。忍者っぽい。私は結局利用しませんでしたが、これをあえて利用して回生システムを利用することで、回復の節約をする、ということもできるようです。そういった攻略にも、救済措置としても利用できる点で、このシステムも攻略の多様性に貢献しているのかな?と感じました。

秀逸なレベルデザイン

色んなサイトで語られていますが、SEKIROのレベルデザインは秀逸の一言です。道中もボス戦も、最初は理不尽に見えたり感じたりするのが、一回二回と突破するたびに簡単になっていくのが肌でわかります。

道中では、最初はかなり過酷に思えたりしますが、いろいろ調べてルートを構築すると、驚くほどするりと行けるようになったりします。実はスルーできる、といったこともあります。道中でも死ぬことによるパターン構築、というのが基本ですが、ちゃんと一歩々々進んでいっている、という実感も得られるバランスになっています。

しかし、やはりボス戦のレベルデザインが秀逸です。一部を除くボスは、たいてい一戦目は驚くくらい死にます。私も一周目のラスボス戦とか、20回くらいから数えてませんでした。死ぬ中で徐々に相手を削れるようになり、まさに死闘の末に撃破、という形になるようになっています。

それが二戦目、三戦目ともなると、明らかに優位に進めていけるようになっていることに気づきます。極端な例だと、一周目で30回くらい死んだ大ボス戦が、二週目では一回しかダメージを喰らわなかった、といった具合に。 周回を重ねるたびに敵も強くなり、かつこちら側の体力は頭打ち(攻撃力だけは上がります)になっているにもかかわらず、自分の腕が上がっていることを周回ごとに実感できる・・・というのはかなり緻密な調整が必要であろうことは想像に難くありません。

万人にはおすすめできないが、間違いない作品

など、難易度の高いアクションであることを全面的に押し出しつつも、ちゃんとクリアしていけるものであることと、戦闘そのものの楽しさなどから、個人的にはSEKIROは間違いなく名作だと思います。

かと言って万人受けするものでないことも確かです。あらゆるゲームにおいて、真に万人受けするものは存在しませんが、SEKIROは次の点からプレイする人を選ぶ作品だと思います。

他のSoulライクゲームをプレイしているのであれば、多少苦しんでもなんとかなるメンタルだと思いますが、メンタル的に合わない人は拒絶反応を起こしかねません。実際、SEKIROは難易度が高すぎるからEasy Modeをつけるべきだ、みたいな議論もあるようです。(なおHard modeはあります)

Easy modeをつける是非は、最終的には開発者側の判断でしょうが、今までのFROM Softwareを見る限り、そういったものをつけることはまずないでしょう。個人的にも必要性は感じませんし、SEKIROが表現したいんだろうなー、っていう物自体が薄れてしまうようにも感じます。そういった賛否両論があってこその名作だとも思います。

もし興味が出た方は、 折れない心 を武器にして是非プレイしてみてください。折れても誰も助けてくれませんが・・・。